初恋は叶わない
叶う人も居るだろうけど幼児の頃、まだ人を綺麗だと、優しいと思えた頃、アレを見た。
アレは美しかった。そう、人が醜く思えてしまう程に。
アレは素直だった。人は取り繕うが、アレは取り繕わない。
アレは......『 』
私は、人の笑顔をみにくいと思う
私は、人の礼の言葉をみにくいと思う
私は、人の泣き顔や怒り顔をましだと思う
私は、人の罵倒や支離滅裂な発言をましに思う
私は、人に進んで憎まれに行くようになった。
これが多分......幼児から小学生頃までの話だろうか。
それで、小学生の時って図画工作、基本図工って言われるのかな?そんな授業あるじゃないか。
しの時に芸術品を見たんだ。ソレは人の形をしているのにみにくくなくて、美しくて、でも少し不気味だった。
それを見た瞬間に頬から涙が滑り落ちて、上履きに灰色が滲んだ。
私の初恋はあれだなきっと。
そうだな、私はそこでとても狂ってしまったんだろう。
ソレを見て、涙を流した直ぐ後にはソレを手に持ち窓から逃亡を図っていた。
それで、担任に手を引かれて......あとはお察しだろう。
人はやはりみにくいな。人の初恋すらも壊そう、奪おうとするのだから......
まぁ、
『それで私の初恋は壊れてしまった。』
ってだけの話だ。新しい恋を手に入れようと思ってな、そこで少し思い出したから、話してみただけだ。